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16
2015

着陸と齢 大型ツグミ

CATEGORYツグミ
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ツグミ第一回冬羽♂  (Turdus eunomus)  Dusky thrush  130323  Ibaraki

今日の更新は高校三年の冬に観察中にたてたちょっとした仮説を2シーズン分の観察から考えた内容です。
群れで渡りを行なう大型ツグミ類。秋になると雑木林の樹上には沢山のツグミ なんてよくありますね。
採食物が豊富な秋の渡り時には樹上での採食が多く、季節の進行とともに徐々に地面におり いつのまにか地上にべったり。
この樹上採食→地上採食へと移行する時期に、齢の差は見られるのか 疑問に思いました。というわけで
◯大型ツグミは、一齢の個体のほうが成鳥より早い段階で地上採食に切り替える
というのが今回の仮説です。

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ツグミ第一回冬羽♂  (Turdus eunomus)  Dusky thrush  141226  Ibaraki

ツグミにおいては、
エノキの実りの時期には成鳥一齢ともに樹上で採食。闘争も樹上でのちょっとした追いかけ合い程度でにらみ合うことはありませんでした。
エノキ類が12月末尽き気温がぐっと下がり、サカキ類で群れて採食するようになると状況は一変。葉や枝の密度が高いためか軽い追いかけ合いではなく、採食場所を保持するために嘴をひらいて威嚇するような場面もみられました。
12月半ばになると平地でぽつんと地上採食をするツグミが多くなります。がその大多数が一齢の個体という印象。例数まで記録しておけばよかったと思いますが後の祭りなのでごめんなさい。
・採餌効率が悪く、樹上での成鳥との闘争に勝てない
・十分な脂肪が蓄えられておらず、動物質に依存する必要がある
などは一齢の個体が早い段階で地上に降りてくる理由としてあげられるでしょうか。
しかしこれならば複数個体で多くがいてもいいはずですが、そうでない理由が分かりませんでした。
意思決定はかなり個人的に、もう無理だ!群れバイバーイ!という感じなんでしょうか。

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シロハラ成鳥♂  (Turdus pallidus)  Pale Thrush  140225  Ibaraki

次にシロハラです。ツグミとの間には違いが見られました。
ツグミ一部の一齢個体が地上採食を開始し サカキに大多数が群がっている頃、シロハラもサカキに群がります。
しかしこの時の大きな違いは、シロハラにおいては既に多くの成鳥が地上採食を行なっている事です。
またサカキに群がる齢の割合はツグミは成鳥一齢間の差がイマイチはっきりしないのに対し、シロハラにおいては一齢の個体の割合が高いのが観察から分かりました。
ただここで解釈を間違えてほしくないのは、一齢の個体が地上にいないかというとそうでは無い点です。

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シロハラ成鳥♀  (Turdus pallidus)  Pale Thrush  140219  Ibaraki

ツグミは成鳥が樹上にいすわり、一齢は早い段階で地上採食に切り替える。
シロハラは成鳥が早い段階で地上採食に切り替え、多くの一齢は樹上に残る。
この差はどこから生まれるのか、理由を推測しました。
1. 闘争においてツグミが優位
ツグミの体長は23-25cm 体重55-106g。シロハラの体長は22-23cm 体重64-90g。闘争においてシロハラが不利であることは言うまでもないかと思います。また仮に勝てたとしても自分より大きな相手ですから闘争には同種同士以上に時間やエネルギーを費やすはずです。雑食のツグミ類であるシロハラは、エネルギー量の小さい木の実のために多大な労力を使ってまで樹上にいすわり採食をする理由はないのかもしれません。成鳥の理由にはなりますが、これでは一齢が樹上から降りない点と矛盾してしまいます。

2. そもそもの採食方法の違いから 住み分け
シロハラ成鳥においては 真冬の採餌効率は樹上よりも地上で高く、ツグミにおいては樹上の方が採餌効率が高いことが成鳥の動きから示唆されます。シロハラがかなり多用する落ち葉ひっくり返し。潜行性の高いシロハラが茂った樹木の下にある地面で餌をとるために適した方法です。ツグミはもう少し開けた場所での採食が多いでしょうか。そういう点において山間部で地上にも採食を十分にできるハビタットがあるため樹上に依存しないのでしょうか。しかしこれも一齢が地面に降りない理由にはならなそうです。

3. 成鳥の経験
僕が今回考えた中で最も支持したいのはこれです。シロハラは越冬時ある程度の範囲を防衛しますが(縄張りとまで呼べるのかは分かりません)、その重要性を成鳥は過去の経験から理解している点です。早い段階で地上に降りて採食エリアを確保することが生存に直接つながるのかもしれません。また落ち葉がかなり多い地で動物質の餌生物を探し出すこと自体が難しく、成鳥と一齢の個体間で採食効率に差が出ることも挙げられるでしょう。探し出せれば沢山餌を食べられる地上には経験豊かな成鳥が、一齢は頑張れば餌にありつける樹上を選択する というのが僕の考えです。
ツグミにおいては開けた場所で採食するのに成鳥の知識はいらないのか という話になってきますが、ツグミにおいては経験により得られる利益が地上での採食術よりも樹上での闘争に役立っているのではないかと思います。推測のそのまた推測レベルの理由付けですが多めに見てください...。

という訳でツグミとシロハラとでは越冬の戦略が少し違っていることが分かりました。
また書いた文章はそもそも検証した内容が正しい という事を前提に話をしていますが、数値が無い以上傾向があるのではないか という推測の域を出ません。観察者のこうあって欲しいという願いだったり、偶然そのような場面に遭遇した など否定できることは様々考えられます。統計処理の重要さはこういう脆い部分の裏付けできる点にあります。

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アカハラ第一回冬羽♂  (Turdus chrysolaus)  Brown-headed thrush  121231  Ibaraki

アカハラとトラツグミも一緒に更新しますが、十分な個体数を見る事ができていないので傾向が掴めていません。
アカハラにはけんかっ早い個体が多くいる僕は思っています。上にツグミ、下にアカハラがいる環境だとシロハラは疲れちゃうかもしれませんね(笑)

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トラツグミ第一回冬羽  (Zoothera dauma)  White's Thrush  140220  Ibaraki

カメラマンに怒りポーズをとるトラツグミ、ほんとですよ(笑)
林内でツグミ達を見つけるとついつい見続けてしまい、足下が彼らの採食場所であることを忘れてしまいがち。
せめてイスに座ったり地面に腰掛けたり、ツグミ達がリラックスして生活できる配慮は忘れないようにしたいですね。
もっと書きたいことがあったような、考えがまとまらないような そんな感じですが眠いのでこれで。
成人式は幼なじみから高校の友達まで会えて、思ったよりも楽しいものになりました。
個人的に一番感動したのはキャバ嬢になった友達のコミュ力。どんどん話を引き出されました。プロって凄い!!笑
また前回の記事で認識の甘さからルリビタキの遅延羽色成熟について誤解を招く書き方をしてしまったので訂正しました。
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