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2014

アナツバメ属とは ヒマラヤアナツバメ

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

国内の図鑑ではほとんど情報を得る事ができず、野外観察もままならないアナツバメ属の種。
唯一馴染みがあるとしたら、高級食材のツバメの巣でしょうか。
そんなアナツバメを今年の与那国島で観察する機会に恵まれました。
2014年9月末に発生した台風16号フォンウォン。フィリピン沖で発生したこの台風はその後台湾へ。
中国東海岸を北上した後、日本海へと抜けました。なお与那国島へ接近したのはフィリピンから台湾へと台風が移動している辺り。
なお今回、アナツバメ属の複数種を考慮して識別,考察を行ないました。
・亜種マレーアナツバメ German's Swiftlet A. fuciphagus germani
・亜種ジャワアナツバメ Edible-nest Swiftlet A. fuciphagus fuciphagus
・オオアナツバメ Black-nest Swiftlet A. maxima
・フィリピンムジアナツバメ Philippine Swiftlet A. mearnsi
・ヒマラヤアナツバメ Himalayan Swiftlet Aerodramus brevirostris
なおこれ以外のアナツバメ属20種程は考慮してこの記事は書かれていません。この5種は日本で観察されたことがある種、また台風の進路上に分布する種等を理由に選んでいます。
ちなみに、ここ数年で観察記録が増えているヒマラヤアナツバメの分布域は台風の進路上ではありません。しかし大型の台風であったため低気圧により中国南部やタイに分布する個体がひっぱられてくる可能性は否定できないため、この種についてもしっかり考えていきます。越冬期ヒマラヤアナツバメはタイまで南下してきます。

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

夕方 日没まであと45分 宿まで6kmとかなり絶望的な場面で30羽程のツバメの群れ。
連日オオコシアカツバメが混ざっていないか一応確認するようにしていましたが、遅いしいいかな〜なんて思っているとできそこないの1個体。
飛び方はツバメ,イワツバメやヒメアマツバメのそれでは全くありません。
ひらひらという飛び方はまるでコウモリ。とまではいきませんが、コウモリとツバメに間といったかんじ。
かなりイメージしやすい例があります。ハリーポッターと賢者の石 終盤の鍵トンボ(?)の部屋に1つだけある、羽が破れた鍵トンボ。あんな感じで集団の中でも異質さを感じるものでした。

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

大きさはツバメとほぼ同大。
とてもトンボなどを採食できるとは思えず。現に結構簡単に写真におさめる事ができている訳ですしね(笑)
なお、滞在中に2個体と遭遇。同じ日(10時と17時)に島の東部、西部に1個体ずつ。
同じ個体が否かは分かりませんが、非常に幸運であることは間違いないですね。ありがたいです。

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

腰は淡色ではなく、淡褐色。光があたっても白色に見える事はありませんでした。
・亜種マレーアナツバメ German's Swiftlet A. fuciphagus germani
・亜種ジャワアナツバメ Edible-nest Swiftlet A. fuciphagus fuciphagus
この2亜種では腰は灰色味をわずかに帯び(slightly pale grey)、ヒマラヤでは灰色味を帯びるとか(pale grey)。
webページや図鑑によって書いてある内容がまちまち。
ではありますが、web上の写真を見るとヒマラヤアナツバメの腰は褐色味-赤褐色味を帯びるのに対し、マレー,ジャワアナツバメでは明るく抜けています。結構光の影響も強いようで不安ではありますが、腰に関してはヒマラヤ寄りであるのかなという風に感じます。

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

肩こりとかあるんでしょうか、首や肩痛いときこんな風にやりますよね(笑)

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

マッサージの続き。
空中にいる時間がほとんどの種(アマツバメ類等)に関してリラックスしているような様子を観察したことがなかったので非常に新鮮でした。

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

顔つきはまさしくアナツバメといった感じ。
シャープな印象はほとんどうけず、コロコロかわいらしい顔。
翼自体も身体のわりに短く、寸図まりな印象をうけるでしょうか。写真によってだいぶ印象が変わるのが困った所。これもアナツバメの特徴だったりするんでしょうか(笑)

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

下面と尾羽。
なおこの尾羽や他の写真から
・オオアナツバメ Black-nest Swiftlet A. maxima
であることは否定することができます。まずオオアナツバメは凹尾というより角尾。
また尾羽の状態によって角尾ではない場面もありますが、ここまで綺麗な凹尾とはならず。
翼長,翼の形もより長く、この個体がオオアナツバメでないことを指し示しています。
また初列風切後端付近が膨らむことは、
・フィリピンムジアナツバメ Philippine Swiftlet A. mearnsi
の写真の中にここまで顕著に膨らんでいる写真が掲載してあるwebサイトはありませんでした。またフィリピンムジはもっと腰の白が抜けるようです。
以上の点もヒマラヤアナツバメであることを指し示しています。
下面が白色であるからマレー/ジャワアナツバメである!といいたいところですが、最後の写真をご覧ください。

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ヒマラヤアナツバメ  (Aerodramus brevirostris)  Himalayan Swiftlet  140924  Yonaguni

光の当たる角度によって、下面は暗色にも淡色にもなります。
こういう点でアナツバメ属の識別は非常に難しい といわれるのでしょうね。
またそれぞれの種についても上に示したように識別点が割と微妙だったりするので、経験がものをいう属という印象を受けます。3年もフィリピンに住めばかなり識別眼を養えそうです(笑)
マレー/ジャワではない ということが現時点でできていませんが、上に示した下面と上面の印象, 尾,翼の形から本個体はヒマラヤアナツバメであるとしました。
なお、今回の台風はヒマラヤアナツバメの他にもタカサゴクロサギやその他ちまちまを運んできてくれました!
飛行機はだいぶ揺れ 着陸時に拍手がわきましたが、それ以上の拍手を台風16号には送りたいところです。
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